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幕末の日本には、多くの情報が飛びかっていた。外国船の来航、火山の噴火や地震などの災害、幕府と長州との戦争、そして身近に迫る一揆の動き。このようななか、これらの情報を積極的に入手して蓄積し、そこから自らの政治的立場を創りあげていった「情報人」も存在した。そのうちの一人、森村新蔵という一地方役人が書き残した情報集(風説留)を読みながら、国民国家形成へと向かう幕末日本にどのような情報社会が成立していたのかを明らかにする。
第1章 森村新蔵と「享和以来新聞記」(森村新蔵「享和以来新聞記」の記録内容新蔵の情報ネットワーク伊勢崎周辺の文人たち新蔵の蔵書構成)第2章 旅を通して見た幕末の日本(旅の人生対外意識と蝦夷地災害情報関所の通行と貨幣の両替お国自慢とアイデンティティ新蔵の地域認識)第3章 幕末の歴史体験(天保の飢饉体験幕末期の村秩序の動揺水戸浪士の情報武州一揆の情報)第4章 上州世直しと情報(上州世直しの原因上州世直しの情報伊勢崎周辺の世直し旗本殺害事件の情報新蔵の世直し意識世直しと質物の取戻し)