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“イスラーム世界”とは、ムスリムが多い地域のことだろうか。それとも、ムスリムである支配者に、イスラーム法で統治される国のことだろうか。あるいは単に中東地域を漠然と指すのだろうか。この曖昧な用語が近代ヨーロッパで生まれたイデオロギーであることを明らかにし、これからの世界史認識と叙述の方法を探る、アジア・太平洋賞特別賞受賞作。
序論 「イスラーム世界」という語のあいまいさ第1部 前近代ムスリムの世界像と世界史認識(前近代ムスリムの地理的知見と世界像前近代ムスリムによる世界史叙述)第2部 近代ヨーロッパと「イスラーム世界」(マホメット教とサラセン人(一八世紀以前)「イスラーム世界」の創造東洋学と「イスラーム世界」史研究)第3部 日本における「イスラーム世界」概念の受容と展開(「イスラーム世界」概念の成立以前日本における「イスラーム世界」の発見戦後の「イスラーム世界」認識)終論 「イスラーム世界」史との訣別補章 「イスラーム世界」とグローバルヒストリー―十五年後の世界で