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2019年 第41回 サントリー学芸賞・思想・歴史部門受賞
江戸時代中期、古学派と呼ばれる二つの新興思想勢力が登場した―徂徠学と国学である。東アジアの標準思想であった朱子学は「理」による内面と外界の連続性を説いたが、有限な人間には複雑な現実を捉えきれないと見た古学派は、「古え」に依拠すべき「道」を見出し、内面と外界の間に位置する“表現”の場に人間存在の基底を模索していく。古学派の言語論や詩的表現の分析を中心に、近代知識人の宿痾となった思想的葛藤に目を配りつつ、古くて新しい人間像を探究する。
第1章 経世論の外部(近世日本社会と職分論徂徠学の登場礼楽と経済徂徠の経書観と人間観超越と詩―『易経』と『詩経』治者の自己経世論の外部国需論争の発端)第2章 賀茂真淵の思想(「畸人」真淵「わりなきねがひ」―『国歌八論』論争からの水脈「直き」人々更新された「雅び」五十音の秩序「直き」ものゝふの道犬の群れと羊の群れ―共同体観の相違文と武と―伝統への接続)