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源氏物語は、長編の物語であり、多面的な作品である。短編的な面白さも充分にあるが、しっかりとした構想のもとに書かれているという印象がある。その全体構想について一概に論ずることは難しいが、主に漢詩文の受容という視点から考察を加えた。
第1部 源氏物語の長編構想と漢詩文(明石の姫君誕生祝賀歌と仏典比喩譚―算賀歌の発想に関連して算賀の詩歌と源氏物語―「山」と「水」の構図雲の「しるし」と源氏物語―野に遺賢無し源氏物語松風巻と仙査説話源氏物語の春秋争いと元白・劉白詩李夫人と桐壷巻再論―「魂」と「おもかげ」)第2部 「松竹」と源氏物語(「松風」と「琴」―新撰万葉集から源氏物語へ「松」の神性と源氏物語菅原道真の「松竹」と源氏物語源氏物語柏木巻における白詩受容―元〓(しん)の死と柏木の死)第3部 平安朝漢詩の周辺(菅原道真の子を悼む詩と白詩藤原時平について京都―平安京と源氏物語)
紫式部は漢詩文の教養を重要視していた。奈良時代以来の漢籍受容の実態を分析し、源氏物語の構想と、その誕生の秘密に迫る。